ふたば市創生

福島第一原子力発電所事故 被災地復興への途

ふたば市創生 十五の提言

被災地:福島県双葉郡富岡町出身 片寄洋一

 事故後多くの歳月が流れ、 世間一般ではその記憶も過去のモノとして薄らいできた。しかし避難被災者は未だふる里には戻れず、異境の地で慣れない生活に苦しんでいる。
 徐々にではあるが避難指示解除令がでて、懐かしいふる里へ戻れる日がやってきた被災地もあるが、新たな問題が浮上してきた。 それは解除になった避難者の多くがふる里へ戻らないという現象だ。何故だ。そこには戻りたくとも戻れない理由がある。
 6年の歳月は全てのものを奪ってしまった。懐かしの我が家は荒れ放題、住環境は原野と化し、野生動物が徘徊する原始の森へと退化してしまった。
 無人地帯となってしまった町では全ての職業が消え再開は不可能となる。のどかな水田耕作を中心とした農村地帯であったが、除染作業で耕作地の表土は全て削り取られ、そのフレコンバックが耕作地に置かれたままで、何時処理できるかのメドは全く立たず、無責任な風評被害を考慮すれば水田耕作の再開は絶望的だ。
 農民の大半はふる里における農業の再開を諦め、他所で農業を継続できるか、あるいは全く別な職業に従事するか決断を迫られることになる。若い年代層こそ苦渋の選択をしなければならない。そうなるとふる里の復興・復活は絶望的になる。
 これで良いのか。好きこのんでふる里を捨てるのではない。戻りたくとも戻れない状態にふる里は陥ってしまっているからだ。
 1月27日、復興相が福島市で講演し「マラソンに例えるなら復興は30キロ地点だ、ここが勝負のしどころ」と発言したが、冗談じゃない未だスタートすらしていないのが実情、担当大臣の認識がこの程度でしかない。だが諦めることはない、叡智を結集すれば何かが出来る。復興の可能性は必ずある。それには地元住民が絶対にふる里に戻るという固い決意が前提になる。いかなる困難があろうともふる里を再建する。理想郷を創りあげるという情熱こそが前進のエネルギーになる。未来を信じて頑張ろう。

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